Artist Interview: サイトウユウヤ 「Civitas of Noise」グループ展

Exhibition

Artist Interview: サイトウユウヤ 「Civitas of Noise」グループ展


このたび、AND COLLECTION Contemporary Artではサイトウユウヤ、サワイダイスケ、NEUNOAの3名によるグループ展「Civitas of Noise」を開催いたします。


今回はアーティストのサイトウユウヤさんにインタービューしました。


①  どのように制作をしていますか。

私の制作は、家具製作に用いられる「曲げ木(Bentwood)」の技法を活用した独自の立体アプローチに基づいています。

主に使用する素材は、一般的な合板です。

通常、直線的で硬質な建築資材を、ポリウレタン樹脂のバッグとコンプレッサーの圧力を使って滑らかで有機的な曲線(アール)へと湾曲させていきます。

これらを細かくカット·研磨し、複雑に組み立てることで、空間にダイナミックな動きとリズムを生み出しています。

また、作品の表面や土台には、コンクリートやモルタル、そして私自身が世界中の都市で撮影·サンプリングした「都市の痕跡(壁の傷、汚れ、スプレー痕など)」をレイヤーとして転写·描画しています。

さらに、作品の背面に色彩を施すことで、壁面に柔らかい環境光が反射し、空間全体が温かい色彩と「都市の息づかい」で包まれるような視覚効果を設計しています。


 

②  作品のテーマ、コンセプトについて教えてください。

私の作品の根底にあるのは、「flow-chitecture(フローキテクチャ)」という独自の視覚言語です。

これは人々の動きや流れを意味する「Flow」と、構造物を示す「Architecture」を掛け合わせた概念です。

幼少期から親しんできたスケートボードの「ランプ(滑走台)」は、美術史や建築史においては単なる遊び道具として見過ごされてきました。

しかし、権威や力を誇示するために垂直に高くそびえる高層建築とは対照的に、ランプは地平に水平な「流れ」を作り出し、帰属先や立場を超えて人々が分け隔てなく共有する、非階層的で民主的な「都市彫刻」として読み解く対象となります。

また、世界各地の都市からサンプリングした、汚れ、スプレー痕といった『痕跡の断片』を、ひとつの作品(画面·スクリーン)の中に集結させ、レイヤーとして落とし込むことで、限られた空間に生きる人間にとっての現代都市の「共存」について問いかけています。

あらかじめ用途やルールが決められた都市環境に対し、様々な背景を持つもの同士が限られた空間を分け合い、共生する今を、ランプという流れをもった構造物を通して表現しています。


③  ご来場者様に向けたメッセージをお願いいたします。

現代の都市や社会の中で暮らしていると、私たちは決められたルールや用途をそのまま受け取ってしまいがちです。

しかし、スケーターが街の何気ない手すりや段差の中に新しい表現を見出すように、私たちの目の前にある環境や日常は、視点ひとつでいくらでも前向きに「読み替える」ことができます。

そしてその「読み替え」は、限られたひとつの場所の中で、異なる背景を持つ多様な存在がどのように身を寄せ合い、空間を分かち合っていくかという「共存」の探求でもあります。

画面の中に集められた様々な場所の痕跡や、木材が描く流動的なアール、そして作品が創り出す空間の余白を、ぜひ体感し、周囲の様々な存在と「共に生きる」ことの豊かさと難しさを感じていただくきっかけとなれば幸いです。

 

 

ぜひ会場にて、3名が生み出すノイズが交差する空間に触れ、新たな視点や問いをご体感ください。

サイトウユウヤ・サワイダイスケ・NEUNOA グループ展「Civitas of Noise」